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縣(あがた)神社 島根県出雲市国富町2番地

国道431号線のところに、「両産土社」と書いた一の鳥居があります。そこから、旅伏山の麓まで行きますと、縣神社に着きます。
両側が広いのは、自動車でも上がれるということなのでしょうか。歩いて、境内まで登りました。

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『出雲国風土記』には、「阿我多社」として記載されています。

縣(あがた)とはなんぞや。

『デジタル大辞泉』によると

あがた【▽県】
読み方:あがた

1 大化の改新以前、諸国にあった大和政権の地方組織。また、県主(あがたぬし)が統治した地域とも。

2 平安時代の国司の任国。また、その国司。

3 地方。いなか。

「田面(たづら)なるわら屋の軒の薦簾(こもすだれ)これや—のしるしなるらん」〈夫木・三〇〉

1の大和政権の地方組織だと思います。『出雲国風土記』に美談郷のところに、天御領田(あめのみた)と書いてありますが、ヤマト王権の直轄地みたいのがあったのかな。


縣(あがた)神社 拝殿
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神社名の扁額かと思ったら、漢詩の抜粋 「山月照弾琴」が掲げられていました。
唐代の高級官僚で詩人であった王維の作品だそうです。以下、中野孝次『わたしの唐詩選』(文春文庫)より。

  晩年惟好靜   晩年は惟(た)だ静を好み
  萬事不關心   万事 心に関せず
  自顧無長策   自ら顧みて長策なく
  空知返舊林   空しく旧林に返るを知る
  松風吹解帯   松風 解帯を吹き
  山月照弾琴   山月 弾琴を照らす
  君問窮通理   君は窮通の理を問う
  漁歌入浦深   漁歌 浦に入って深し


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 縣(あがた)神社 本殿

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以下『神国島根』より抜粋

[通称] 八幡宮
[主祭神]若帯彦命
[配祀神]誉田別命、息長足姫命、武内宿禰 他六柱
[由緒・沿革] 創立不詳。風土記所載社。
       右主祭神(※縦書きなので、ここでは右ではなく上)、国造、県主等の制度を整え給うたによる社名(社記、口碑)
       貞観二年八月十五日、大秦宿禰此雄、宇佐八幡別宮を勧請として奉記し、宇佐八幡別宮と称した(社記)
       国主、地頭の崇敬厚く、地頭から天文八年後毎年反引米二俵外あり、社領寄進され、社殿修理、供米料の御免地があった。
       又、例祭には明治三年迄神酒三斗寄進、拝殿向拝掲の大額面には山月照弾琴とあり。
       旅伏山都武自神社と共に産土神社。

一の鳥居に「両産土社」とあるのは、縣(あがた)神社の鳥居でもあり、旅伏山頂上の都武自神社の鳥居でもあるということなのですね。八幡宮なのに、御祭神を若帯彦命(第13代天皇の成務天皇)としているのは、縣(あがた)と何らかの関係があるのかもしれません。

境内社にお参りしていきました。

社日様

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境内社 瀬戸物のお稲荷さんが見えました。稲荷神社なのかな。

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あれ、境内社 
伊爾波神社(いにはじんじゃ)が見えません。
都武自神社の参道を探していたら、ありました!

境内社というより、もともとあの場所に鎮座しているかのような感じです。

現在の伊爾波神社の祭神は、阿須波神、波比伎神、庭津日神、庭高津日神。
伊爾波神社も『出雲国風土記』記載社です。(本によっては、美談神社境内社 印波神社を比定している)


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伊爾波神社の左には、都武自神社の参道があります。
伊爾波神社は、都武自神社との関係が深いと思われます。

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あくまで、私の想像ですが、縣(あがた)神社は、もとは『出雲国風土記』に登場する都牟自神社のひとつだったんじゃなかろうか。(通説ではない)
山の頂上の神社が、麓に鎮座するケースがたくさんありますから、そう想像しました。
また、伊爾波神社は、伊和の大神(大国主命)の息子神 伊勢津彦命と関係があるんじゃなかろうか。突飛な考えですが、別サイトで展開しています。別サイト ⇒ 鰐淵寺と風の神・伊勢津彦命








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by yuugurekaka | 2025-05-15 12:27 | 神社探訪 | Trackback | Comments(0)