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木次町湯村のヤマタノオロチ伝説

さくらおろち湖 

前回、奥出雲町の佐白の八頭(やと)地区のヤマタノオロチ伝説を書きましたが、今度は木次町の湯村・日登の伝承地へ行ってみました。

地図で見ますと、濃厚なヤマタノオロチ伝説の伝承地(木次町の平野部や加茂町にもありますが)は、さくらおろち湖の周辺の東側と西側であることがわかります。

岩伏山とさくらおろち湖

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上の写真の高い山が、岩伏山であり、素戔嗚命が大蛇を斬ったという伝承の山で、頂上付近に岩船という巨岩があるそうです。

もしかすると、ヤマタノオロチというのは、もともとこのさくらおろち湖の水の神─龍神を悪者に具象化したものかなと思いました。
               




地図で見ますと、さくらおろち湖は、龍のような形にも見えます。

しかし、ここが湖になったのは、尾原ダム(2012年完成)ができて斐伊川が堰き止められた結果(つまりダム湖)で、最近のことです。

頭の中でいろいろな仮説を立てますが、このように、たくさんの説が流れていきます。

さて、さくらおろち湖から少し斐伊川を下ったところに木次町湯村というところがあります。

文字通り、湯村温泉という温泉地です。


天が淵 

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斐伊川の土手の所に天が淵(あまがふち)という石碑が立てられています。

ヤマタノオロチが住んでいたと言われている淵あるいは、「八塩折の酒」を飲まされたヤマタノオロチが苦しまぎれに逃げ込んだ所とも云われています。

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とはなんぞや。河川の流水が緩やかで深みのある場所、ネットで調べてもよくわからない説明ですが、要は、流れがゆっくりで河底が深い、河の一部の場所をいうのでしょう。

斐伊川も川筋が変わっているはずで、現在の淵と、大昔の淵はおそらく別のところだと思われます。

川に住んでいたので、やっぱりヤマタノオロチは、河の神、水の神だったのかもしれません。


万歳山の神陵

ヤマタノオロチの住んでいた場所ばかり注目していましたが、その対面の万歳山に、アシナヅチの神とテナヅチの神の神陵の磐座があるそうです。

万歳山

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Googleには二神岩(ふたごいわ)の表示があり、写真も載っています。

行ってみたいなと思いましたが今回はやめました。高い山ではないですが行かれた方のブログの記事が全く発見できません。登山の危険も伴います。

近くの温泉神社アシナヅチの神とテナヅチの神の神陵があります。

温泉神社は、『出雲国風土記』時代の仁多郡・漆仁社とされている神社です。今は雲南市だけれども、奈良時代は、奥出雲町とおなじ郡のようです。

温泉神社 島根県雲南市木次町湯村1060 

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アシナヅチの神とテナヅチの神の神陵

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神陵の説明版

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〝稲田姫の父神 足名椎、母神手名椎を祭ったニ神岩は万歳山の中腹にあるが、山崩れで参詣道がなくなり、天ヶ淵の上に玉垣を設けて拝神していた。国道改修にともないその神陵が温泉神社境内に、遷座されたものである。

説明版によると神陵そのものではなく、万歳山の中腹の神陵である二神岩(ふたごいわ)の遥拝する玉垣が遷されたもののようです。




Commented by etinarcadiareni at 2024-07-14 23:08
こんばんは。
いつも興味深く拝見させて頂いています。
(また、サイトに遊びに来てくださり、ありがとうございます)

川の氾濫とか、水害があった所に、荒神的な龍を納めて龍神にした話とか、多いですよね。
Commented by yuugurekaka at 2024-07-15 10:00
> etinarcadiareniさん
コメントありがとうございます。

>川の氾濫とか、水害があった所に、荒神的な龍を納めて龍神にした話とか、多いですよね。

そうですね。斐伊川はとりわけ、暴れ川で、水神を鎮める祭祀が重要だったと思われます。稲の恵みを与えたり、洪水になって、人の命を奪ったり、神様はいいも悪いもないのかもしれません。
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by yuugurekaka | 2024-07-14 18:37 | ヤマタノオロチ伝説 | Trackback | Comments(2)