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美保の事代主命 (1) 三穂津姫との婚姻

■ 比翼大社造
事代主命系のえびす様の総本宮である美保神社である。ここの神社は、一味違う本殿をもつ。現在の本殿は、文化10年(1813年)に再建されたものであるが、左右並立した社殿が「装束の間」でくっついている大社造りで、美保造または比翼大社造と呼ばれている。

美保神社 島根県松江市美保関町美保関608


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ほとんど知識が無い人が、この並んだ本殿を見たら、「夫婦神を仲良く祭っているんですね。」と、思うだろう。このことを私が、地元の方に言ったら、「違いますよ。夫婦では無くて、事代主命と、義理のお母さんを祭っているんですよ。」と、言われた。確かにそうである。
『ウィキぺディア美保神社』にも
三穂津姫命は大国主神の幸魂奇魂(さきみたま・くしみたま)である「大物主神」の后神。事代主命は神屋楯比売神(かむやたてひめ)と大国主神との間の子供なので義理の母親にあたる。〟と書かれている。

背後から見た美保神社本殿 

左側が、一の殿 三穂津姫命、右側が二の殿 事代主命を祀っている。



美保の事代主命 (1) 三穂津姫との婚姻_e0354697_23360707.jpg

ここの三穂津姫であるが、『日本書紀』の一書(第二)に登場するのみである三穂津姫と婚姻するのは、大物主神である。元々三輪山に祭られる少彦名命の設定であるが、少彦名命は、大国主命の幸魂奇魂であるというというような不思議な書き方になっており、同神であるかのようにしているが、『日本書紀』『先代旧事本紀』『姓氏録』を合わせて読む限りでは、少彦名命=事代主命=大物主命である。

〝ときに高皇産霊尊が、大物主神に勅されるのに、「お前がもし国つ神を妻とするなら、私はお前がなお心をゆるしていないと考える。それで、いまわが娘の三穂津姫をお前に娶あわせて妻とさせたい。八十万の神たちをひきつれて、永く皇孫のために守って欲しい」といわれて還り降らされた。〟
(宇治谷 孟 現代語訳『日本書紀 上』講談社学術文庫)(太字強調は私)

元々は、夫婦神として祭られていたのではないか。
その証拠に『姓氏録』(815年)には、高魂命系の事代主命が登場する。下記は、高群逸枝氏の解説である。

〝此神の裔は系譜上すでに殆ど失われており、ただ此神が、高魂命の女系に所生したと思われる大和地方の有力地祇氏(事代主命の系統である。同命は父系によって地祇氏となっているが、母系によって高魂裔の天神氏となっていることもある。大和神別の飛鳥直は「天事代主之後也」とある。飛鳥直は飛鳥社の神主、その飛鳥社は事代主命を祀る神社である。地祇氏でなければならない筈であるが姓氏録では天神に列している。左京天神の畝尾連も「天辞代命子国辞代命之後也」とあり、右京天神の伊与部も「高媚牟須比命三世孫天辞代命後也」とあり、高魂系である。〟
(高群逸枝著『母系制の研究(下)』 講談社文庫)(太字強調は私)




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by yuugurekaka | 2019-10-29 11:04 | 美保の事代主命 | Trackback(2) | Comments(0)