人気ブログランキング |

熊野大神の謎 (2) ~熊野山(天狗山)~

■ 熊野山

『出雲風土記』に載っているカンナビ山は、平野部から概ね山の姿がよくわかる。しかしながら、熊野山(現 天狗山)の山容は麓の熊野大社からも見えない。
どこから見えるのだろうかと、場所を探すがなかなかその場所が見つからない。
地図上で見ると、須賀神社の奥宮がある八雲山がちょうど西側に位置する。そこで、八雲山に登ってみて、写したのが下の写真である。


東出雲地方(旧八束郡・旧松江市)の中では、最も高い山で、610.4メートルある。

麓から仰ぎ見て拝む山ではないように思う。現在は、天狗山というが、過去には天宮山とも云ったという。『出雲風土記』(733年)の時代は、熊野山と云い、熊野大神の社があったと書かれている。


熊野山。郡家の正南一十八里の所にある。〔檜(ひ)・檀(まゆみ)がある。いわゆる熊野大神の社が鎮座していらっしゃる。〕(島根県古代文化センター編 『解説 出雲風土記』 今井出版)


グーグルアースの地図から見る熊野大社と天狗山の位置


e0354697_20463933.jpg

天狗山の登山者用の駐車場に止めて、歩いて行った。始めは、登山道ではなく林道を歩いていく。


e0354697_20495222.jpg


意宇川に流れる熊野山の川を左手に見ながら、道を歩いていく。山の間から、水がしみ出していた。そこでは、平野部では聞いたことのないような、不思議なカエルの声がする。そのカエルの正体を見ていた。黒っぽい痩せっぽちのカエルだった。


e0354697_20495966.jpg

いよいよ登山道の入り口に到達した。


e0354697_20494421.jpg


突然細い登山道となった。傍らに小川が流れていた。


e0354697_20492606.jpg


谷の左手の細い道を登って行ったが、小川の源流というか、

山水が湧き出ているところに来た。「意宇の源」と表示されていた。


e0354697_20485974.jpg

『出雲風土記』にも、意宇川に熊野山が水の源と書かれていた。実際には、ここだけではなく、山のいろいろな場所から水が湧き出て、川になっていると思う。


意宇(おう)川。源は郡家の正南一十八里にある熊野山から出て北に流れ、東に折れ、流れて入海に入る。〔年魚・伊具比がいる。〕(島根県古代文化センター編 『解説 出雲風土記』 今井出版)


■ 元宮 


e0354697_20491411.jpg


笹が生えているところが多くなった。

駐車場から約1時間、『斎場』と書かれている所にきた。その先には、「磐座」(いわくら)が見える。


e0354697_20490703.jpg

説明板によると、熊野大社の斎場跡(祭場跡)で、元宮平(げんぐがなり)と云われている地で、磐座のあるところが熊野大社の元宮だという。『日本書紀』(720年)の斉明天皇五年(659年)に「出雲国造に命じて厳かな神の宮を建てさせた。」との記述があるが、それまでは磐座をご神体として、祭祀のみが行なわれていたのだろうか?

“人間が五穀豊穣や国家の安穏を祈る際にはカミの来臨のために「ヒモロギ」(神籬)や「岩クラ」などと呼ばれる臨時の神の座を作って、そこにカミを招請して、数々の食べ物を捧げ、祈願する。祈願が済むとカミは帰還せられる。そのありかは定かならぬものである。カミはいつも天や山などの高いところなど、人界とは隔絶した場所にいて、人間には見えない存在だった。”(大野晋著『日本人の神』河出文庫)

古代において、より高い山の頂の近くに神は降臨する存在として考えられた。
神は漂い彷徨し移動する存在と考えられ、それゆえ山の麓に依代としての神社そのものが麓に移動してきたとも考えられる。  

 


名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yuugurekaka | 2018-04-03 00:32 | 熊野大社 | Comments(0)