野城大神の謎 (1)  能義神社 祭神

■野城の大神

安来市の能義神社(のきじんじゃ)であるが、出雲路幸神社以上に、謎の神社である。
そもそもの能義神社の祭神、野城大神という出雲国四大神(所造天下大神・熊野大神・佐太大神・野城大神)の一柱であるが、どういう神なのかはっきりしない。旧能義郡だけではなく、現在の松江市市街地の西部の野白(のしら)神社、野代神社などの、「野白」「乃白」「乃木」の地名もあり、古は、おそらく「野城大神」(のきのおおかみ)を祭っていたのだろう。当然、現在の神社の祭神は、猿田彦命であったり、もともとの祭神とは違う。

旧能義郡の安来市 能義神社の現在の祭神は、天穂日命である。
しかし、昔からずっとそうかと言えば、違うようである。江戸後期の『出雲神社巡拝記』には、「たかみむすび命」とある。むむっ、出雲路幸神社の宮所は、元は天神社で、菅原天神ではなく、少彦名命を祭っていたという話だから、その父神ということで、高皇産霊尊なんだろうか?

また、『出雲鍬』(18世紀中頃)には、〝出雲風土記鈔曰、大穴持命ト記セリ、俗伝二曰、此社野見宿祢ト云人アリ〟と、あり、表向き天穂日命であるが、実にいろいろな説がある。

能義神社本殿  島根県安来市能義町366

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富家伝承本『出雲と大和のあけぼの』(大元出版)によれば、野城大神は、サイノカミ三神のうちの女神(つまり幸姫)というらしい。
となれば、幸姫に由来する場所に、「のしろ」あるいは「のき」の類の地名があっても不思議はない。

出雲と石見の境界に三瓶山という山がある。出雲国風土記では「佐比賣山」と云う女神山である。いわゆる幸姫だ。だとしたら、三瓶山の周りに、野城に由来する地名があるのではないか?と、調べると、「野城」(のじろ)という地名があった。

日御碕方面から見た三瓶山  

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が、しかし、この「野城」という地名は、明治8年(1875年)、円城寺村・市野原村が合併して野城村となったものである。たいへんがっかりしたが、気を取り直して、『角川日本地名辞典』を見ると、ここの合併して発生した「野城」とは別に、中世に「野城」といった地名があったと書かれていた。


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by yuugurekaka | 2017-11-12 08:00 | 野城大神 | Trackback