ラフカディオ・ハーン 木の根神社

鳥取県の中山神社に向かう国道9号線に「木の根まんじゅう」の大きな看板に出会います。
木の根は、木の根神社の御神体を模した形のようです。
買って食べてみましたが、程よい甘さでおいしかったです。


                       木の根饅頭
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木の根饅頭のお店の北側に「木の根神社」があります。「木の根さん」「への子松」とも云われ、
子宝、縁結びなどにご利益があるとされて、今でも全国から参拝客があるそうです。

木の根神社鳥居  鳥取県西伯郡大山町松河原

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ここの神社の由緒ですが、鳥居横に説明板に書かれていました。

"生まれつき身体が弱く、元気のない松助という若者は、結婚すればすぐお嫁さんに逃げられてし
まいました。
母親は、何とかならぬものかと八幡さんにお参りすると「山の中ほどにある大きな松の根にあやか
りなさい。」とお告げがありました。
そこで、母親は、その松の根を持ち帰り、朝夕一心にお祈りすると、数日たって松助は見違えるほ
ど立派な男になり、後に5人の子供にも恵まれ、長者になったということです。"

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の説明板

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ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、明治二十四年にセツ夫人と再びこの地を訪れ、紀行文に木
の根神社の事を書いたそうです。
どんなことを書いているのかと思い、本を借りて、読んでみました。
下記は、その本の抜粋です。

上市という、眠ったような小さな村の近くで、名高い神木を見るというので足を止める。神木は、街
道ぎわの小高い丘の森の中にあった。木立をはいると、三方を低い崖に囲まれた、小さな窪地みたいな
ところへひょっこり出た。―崖の上には、樹齢いくばくともしれぬみごとな老松が、亭々と群ら立っ
ている。太い磐根が岩を割って崖の表面に這いだし、さしだす枝と枝が低いそこの窪地に、昼なお暗い
緑陰をおとしている。そのなかの一本が、太い三本の根を妙な形に突き出していて、その根元のところ
に、なにやら祈願の文句を記した紙のお札だの、奉納の海草だのが巻きつけてある。なにか言い伝えに
よるというよりも、その三本の根そのものの形が、民間信仰から、この木を神木に祀り上げた、といっ
たものであるらしい。…中略… いったい、樹木崇拝―もしくは、その樹木に宿っていると考えられ
神の崇拝、これは多くの原始民族に共通な性器崇拝の名残であって、昔は日本にも広く流布していた
ものだ。それが政府の弾圧をうけるようになってから、まだ五十年とはならない。 …後略…"

                   "小泉八雲著・平井呈一訳『日本督見記 下』 恒文社 " 
※下線は私

木の根神社

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樹齢いくばくともしれぬみごとな老松が、亭々と群ら立っている。」とのことだったが、そびえ
立つ大きな松は見当たりません。今は、大きなその根だけが、拝殿の中に納まっているようです。
拝殿の中にまた祠があり、石棒がお供えしてあります。
小泉八雲が描いている太い三本の根がどれなのか、よくわかりませんでした。

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"これは多くの原始民族に共通な性器崇拝の名残であって、昔は日本にも広く流布していたものだ。
それが政府の弾圧をうけるようになってから、まだ五十年とはならない。"
原始共同体時代の信仰として、ホト岩や石棒信仰は世界共通のものであったようですが、"一時、
社法制定のころ淫祠として廃棄をすすめられたこともあるという。" 鳥取県立米子図書館編
『郷土史跡めぐり(西伯耆編)』米子 今井書店発行)事のようです。
江戸時代には、あちこちの神社であったようですが、明治時代の神社再編の中で、廃棄されたり
祠の中で陰をひそめたものと思われます。

この神社の裏の丘に登ってみました。
ん?この石は、磐座なのか、石棒のモニュメントなのかしら。


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それと、このピンクの鳥居は、逆さ鳥居というのでしょうか?


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鳥取県立米子図書館編『郷土史跡めぐり(西伯耆編)』(米子 今井書店発行)によれば、"一方
木根神社の前から南上したところにある香取の「ほととぎす橋」の傍らには「甫登(ほと)神社」
がある。谷あいにある天然の大石が女性を象徴し、ともに原始信仰の姿を伝えている。"と。

しかし、この丘から、逢坂八幡さんの方向に歩いて行くと、甫登(ほと)神社の鳥居が…。

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甫登(ほと)神社

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饅頭屋さんで、聞いたところ、香取の甫登神社を勧請したものらしい。
甫登(ほと)神社の隣には、やきもち神さんが石室の中に、鎮座していました。

この後、香取の甫登神社に参拝しようと思い向いましたが、大山の麓なので雪で通行不能でした。
一月中旬のことです。

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by yuugurekaka | 2017-06-13 21:45 | ラフカディオ・ハーン | Trackback | Comments(0)