野白神社鳥居

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野白神社は、松江市の田和山遺跡のある松江市乃白(のしら)町にあります。
『出雲国風土記』(733)年に 「野代社」として比定されている古社です。
もとは現社地の東方のトモタ山(田和山と比定)に鎮座していたが
毛利尼子の戦で焼失し、慶長16年(1611)、現社地に遷座されたといいます。
江戸時代は「野白大明神」「友田大明神」「舳田大明神」とも称されていました。

随身門

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祭神は、猿田彦命・ 天鈿女命 です。
この猿田彦命ですが、天孫降臨神話のニニギノミコトを導く伊勢の神様として
古事記で登場してきますが、岐の神・塞ノ神・道祖神・岬(鼻)の神等
同一の神とされていますが、神道以前の信仰や様々な神々と習合したものなのだと
私は思います。

野白神社のちょうど北の方に、猿田彦命を祀っている佐太神社がありますが
出雲風土記に見られる島根県加賀での誕生神話と
古事記に見られる伊勢地方の話を考えると、私は同一の神には
どうしても思われません。

古事記の天孫降臨神話での猿田彦命の記述は
出雲(王朝)の国譲りの話と、伊勢地方の太陽信仰ー
もともとあった土着神(猿田彦命)信仰から天照大神信仰への移行を象徴的に表している
のではないか?と思います。

陽石

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神社の境内の右手にあった一対の陽石。猿田彦命は道祖神と同神とされているから
祀られているかもしれませんが、島根県東部で、陽石を祀っている神社は
たいへん珍しいです。私が知っている神社では、ここと八重垣神社しかありません。
30年前に、ここの宮司さんにお話を聞きましたが
昔はどこの神社にもあったけれど、政府に撤去を命ぜられて無くなってしまった
とのこと。

インターネットで調べてみましたが、これは
明治初年の淫祠邪教(いんしじゃきょう)の禁令によって 姿を消したのでしょう。
道祖神(→ウィキペディア 道祖神)と一般的に言われていますが、本来は神社の境内に祀られるものではなく
あちこちの村の境界や道の分岐点で祀られたものです。

道祖神と習合した岐の神、塞ノ神の起源は古く、縄文時代の石棒信仰までさかのぼれると
いいます。(→縄文時代の石棒祭祀 

猿田彦命は、先住民の神々の総体として、象徴だったのではないかと
自分は思います。


by yuugurekaka | 2015-05-17 23:48 | 野白神社と田和山遺跡