2016年 12月 11日
天照らす 高照姫命 (3) 出雲の起源
■ 高照姫命は、イザナミ命のモデル?
海部氏勘注系図および先代旧事本紀の系図を見て、私が強烈に思うのは、天火明命と高照姫命の二人が、ヤマト王権の始原というものであって、高照姫命が、海部氏・尾張氏・紀氏、またその後継の蘇我氏、阿部氏等の古代豪族の母祖神であるということです。
しかしながら、高照姫命という女神は日本書紀に出てもきませんし、古事記では、下照姫命の別名「高姫」となっており、戦後の古代史学者が、「下照姫命と同神」としており、全く存在感がありません。
いわゆる葛城王朝の豪族の母祖神であるが故に、イザナミという国土創生神にされてしまったのではないか…と、いうのが私の想像するところです。だから、東出雲の方には、イザナミ信仰なるものがあり、島根県と鳥取県の県境や島根県東部と広島県の県境の山にイザナミ御陵なる伝承地が集中してるのだと思います。
黄泉平良坂(よもつひらさか) 松江市東出雲町揖屋
その上の、高照姫命の母の宗像三女神とも考えれるのかもしれませんが、「黄泉比良坂」の伝承地が松江市東出雲町にあることを考えると、高照姫命をモデルとしているようにしか思えないのです。
しかし、国土創世の神が死ぬのか…?、ここが、理解に苦しむところですが、他にも私が、釈然としないのは、①素戔嗚命の八岐大蛇退治(出雲の神様を切ってもいいのか?)②国譲り神話(ヤマト王権を共に造っていてヤマトに国譲りもなかろう)と、③黄泉比良坂の話です。
この話をここで展開すると、ややこしくていけないのでまたの機会に譲ります。
火の神を生んで―カグツチー、あれは、天香具山命ではないかと思うのです。天香具山命は、奈良の葛木坐火雷神社の祭神で製鉄の神でもあります。高照姫命は、出産でなくなったわけではなくて、丹後風土記に母子で登場してきます。たぶん、亡くなった場所はたぶん丹波でしょう。
一方のイザナギ命のモデルになった、天火明命は、母子を残して、ぴゅーんと九州の宗像族を頼って行き、九州を開拓したのでしょう。
詳しくは 過去の記事 ⇒ 黄泉平良坂の考察 (2) イザナギとの離婚
黄泉比良坂近くにある神社、揖屋神社ですが、日本書紀 斉明五年(659)のところで出てくる「言屋社」比定地でもあり、かなりの古社です。『出雲国風土記』意宇郡の条の在神祇官社「伊布夜社」の比定地でもあります。
この「揖屋」ですが、もともとは「いや」ではなく「いふや」だったのでしょう。
現在の祭神は、伊弉冉命、大巳貴命、少彦名命、事代主命です。元は東出雲王家の系統の神社であったのではないかと自分は思います。この揖屋神社は、日本書紀斉明天皇の条で、天子の死の予兆として描かれております。「黄泉比良坂」といい「揖屋神社」といい「死」というものと関連付けられています。
このことは、通説的には、大和から見て日が沈む西の方向に出雲地方があるため、「黄泉の国」として位置づけられたのではないかと云われていますが、私思うに、これは「東の(事代主系の出雲王家)出雲の王朝は滅びた、死んだ。」ということを、述べている「隠喩」ではないでしょうか。
長髄彦の妹の三炊屋媛が饒速日命の妻となった、、、という話の「三炊屋媛」が、高照姫ではないかと、、、。
いず―み 水が出るところ
いず―め 芽がでる
いず―も 母の出身、、、なるほど。
出雲郷と書いてアダカエの地名は秋鹿にもあります。秋鹿の高祖寺のあたりです。
長門の大津郡向国郷であった場所に、日御碕神社から勧請された御崎神社がありますが、
その神社には高照光媛が祀られています。
熊野大社の祭神は出雲王国の王家が物部侵攻~出雲平定により王宮(現在の神魂神社。本殿はいにしえの王宮殿そのままの姿だと伝わる)から退去したのちに移り住み、出雲王国の国教、幸之神三柱+龍蛇神。を祀ったのが始まり。
幸之神三柱の最高神(父神)が久那斗大神。コレがイザナギ大神に改変され、
后神(母神)の幸姫之命/サビメ大神(水神。また、太陽の女神。豊穣の女神)がイザナミ大神に改変。
御子神の猿田彦大神は出雲の祖神としてのスサノオの尊ほかに改変されました。
因みに、日本の八百万神はこの幸之神三柱がバブルしたもの。
また、出雲族の姫をイザナミと言ったり、
また、出雲をイザナミで比喩したり、、、(その際のイザナギは渡来人/天皇家の祖先神)
阿太加夜奴志多岐喜比賣の高野宮ですが、式内社としては内神社になります。
高媛は、風土記社の阿之牟社(アシム)を指していると考えています。
カヤシマ神社では、天照高媛ですね。
実はコレが重要で、宇佐神宮の姫神は、安心院(アシム)神社の玉依媛と言われています。
安心院には古い佐田神社も鎮座しています。
コレに関連して,日向神門美良媛はクシヒカタの奥さんでした。南九州にも
豊後や日向に大国主神話があるように、諏訪神の末裔や神門氏が展開していたようです。
イズメは「出芽」
冬枯れの寂しい風景から春先に目にも鮮やかに草木の芽が出で繁茂して行くおめでたい(芽出たい)コトバ(出雲古語)
万歳三唱もイズメ🙌イズメ🙌イズメ🙌