2015年 09月 22日
出雲郡 宇賀郷(4) ~ カミムスビの御子 ~
神魂命(かみむすびのみこと)の御子です。
出雲風土記では、「神魂命」ですが
古事記では、神産巣日神、日本書紀では神皇産霊尊と表記されます。
古事記では、天地開闢(てんちかいびゃく)のとき,高天原に出現した造化3神の1神で
性別はなく、独身のまま子どもを生まないとなっていますが、
出雲風土記(733年)では、たくさんの御子が登場してきます。
生馬神社(東) 島根県松江市東生馬町235
生馬神社(東)は、神魂神の御子「八尋鉾長依日子命」(やひろほこながよりひこ)を祀っています。
西方に生馬神社がもう一つあり、なかなかわかりにくい所に鎮座しています。 →生馬の里 ガイドブック
法吉神社 島根県松江市法吉町583
宇武賀比売命(うむかひめ)を祀っています。古事記では、蛤貝比売となっており、
大国主命を助けた、いわゆるハマグリの女神です。
加賀(かか)神社 松江市島根町加賀1490
枳佐加比売命(きさかひめ)を祀っています。佐太大神を生んだ女神でもあり
大国主命を助けた 赤貝の神です。
朝山神社 出雲市朝山町1404
眞玉著玉之邑日女命(またまつくたまのむらひめ)を祀っています。
大国主命が妻問いした姫神です。
この他の神魂命の御子としては、
天御鳥命(あめのみとり) が、 楯縫郡(たてぬいのさと)で 登場します。
出雲国造の祖とも言われる 天夷鳥命(あめのひなどりのみこと)と同神説もあります。→ウィキペディア 建比良鳥命
都牟自神社 出雲市斐川町福富133
祭神は、薦枕志都沼値命ですが、風土記 出雲郡漆沼郷に登場する
神魂命の御子 天津枳値可美高日子命(あまつきちかみたかひこ)と同じ神名とされています。
こうして調べると 出雲の国や古事記の記載(スサノオノミコトや大国主命を助ける)では
ものすごい存在感です。
でも、その割には、神魂命を主祭神として祀っている神社が
出雲の国にも、全国的にも少ないです。それは、なんなのでしょうか。
神魂命を祀っている 出雲大社境外摂社 神魂伊能知奴志神社(かみむすびいのちぬしのかみのやしろ)
それと、イザナギノミコト・イザナミノミコトの国生みの神より
はるかに古い神なのに、その娘が、大国主命の奥さんに 二神なりますが
どうも時代のつじつまがあいません。
実際は 神魂命の御子というより、一つの族というか、系統を表しているのでしょう。
修造中の出雲大社 (2015年8月下旬)
赤い矢印は、宗像三女神の多紀理比売命(たぎりひめのみこと) を祀っている
筑紫社とも呼ばれてる神魂御子神社ですが、
延喜式神名帳(927年)でも、「神魂御子神社」となっているようです。
確か宗像三女神というのは、スサノオノミコトと天照大神の誓約の時
生まれた神です。さらに古代にさかのぼれば神魂命の御子なのかもしれませんが
そうなると、出雲の神々は 全部 神魂命の御子というように表現が可能となります。
決して そういうことではないでしょう。
もしや、神魂命は、海人系の神で、西方より 寄りくる
来訪神ではなかったのか?と 直感的に思いました。
不都合がございましたらご連絡下さいませ。m(_ _)m