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美保神社

揖屋神社の恵美須さんの話を書いた流れから言いますと
美保神社のことを書くと、話が連動してわかりやすいです。
しかしながら、美保神社の写真が無い!
これではいけないと思って、仕事が終わって写真を撮りに行きました。
(二日前のことです。)

朝方 晴れていましたので
夕方行くと 夕焼けに照らされて なお美しい美保神社が
観れるなと 思っていましたが、
午後から 曇ってしまいました。こうなると、暗くなって 写真が撮れなくなってしまいます。

美保神社は、島根半島の最東端にあります。
漁業の神、商売繁盛の神の
恵美須さん(事代主命系の)総本山として 有名な神社です。
日本海の海岸べりの曲がった道路を松江市内から走って約40分。
着いたのは夜の7時過ぎで、もう少し暗くなっていました。

セミのシャンシャンシャン…が何百もの大合唱で、不思議な音に聞こえます。
久しぶりです。何度か来ましたが、巨大で美しい神社です。

美保神社_e0354697_15053019.jpg


ここの拝殿もすばらしいです。本殿とこれほどマッチした拝殿はあまり見たことありません。
ここの本殿は、文化10年(1813年)の造営です。
大社造の左右二殿連棟の特殊な形式で「美保造」または「比翼大社造」と呼ばれています。

左側の本殿(向かって右)が、三穂津姫命で
右側が、事代主神を祀っています。
並列に並んでいるので、夫婦だと勝手に思われそうですが
三穂津姫命は高天原から大国主命に嫁いだ妻で
事代主神の義理の母になります。
 
美保神社_e0354697_15053079.jpg


本殿の後ろ側です。左が、女千木(上が水平になっています)、
右が男千木(横側が水平になっています)になっているのが
よくわかると思います。

美保神社_e0354697_15053011.jpg


外側からは見えませんが、二つの本殿の間に末社・大后社があります。
大后社は、神屋楯比売命(カムヤタテヒメ),沼河比売命(ヌナカワヒメ)を祀っています。
(二神とも大国主命の奥さんです。)
神屋楯比売命は、事代主神の母でわかりますが
なぜに沼河比売命?

沼河比売命は、古事記の中で、大国主命の高志(昔の北陸地方)の妻問いの話に出てくるお姫様です。
ウィキぺディア 沼川比売

実は、出雲風土記(733)には 以下のように述べられています。
「美保郷。郡家の正東二十七里一百六十四歩の所にある。
所造天下大神命が、高志国にいらっしゃる神意支都久辰為命の子、
俾都久辰為命の子、奴奈宜比売命(ヌナカワヒメ)と結婚して
お産みになさった神、御穂須須美命(ミホススミ)、この神が鎮座して
いらっしゃる。だから美保という。

(『解説 出雲風土記』島根県古代文化センター[編]より)

つまりは、出雲風土記成立頃には
美保神社の美保は、三穂津姫命の「ミホ」から来ているのでは無く
ヌナカワヒメの子どもの御穂須須美命から来ているのです。
このことから美保関の岬が、古代 北陸とつながる海上交通の要であったと
想定できます。
そして、当時は、御穂須須美命を祭神とする大きな神社が美保関に
あったのだろうと思われます。

古事記では、最後まで国譲りに反対して、タケミカヅチと戦って 敗北して
追いつめられ 長野の諏訪大社の祭神となったとされるタケミナカタも
ヌナカワヒメの子と言われています。(『先代旧事本紀』など)

ヤマタノオロチが高志(越)の国からやってくるなど
どうも高志の国は、悪者役として設定されています。
ヤマト王権にとって 当時 高志は都合が悪かったのかもしれません。

そのことが原因なのか 今は御穂須須美命の名は
美保関の神社に ほとんど残っていないようです。
神社の記紀神話的変容みたいな形で 風土記の時代より後
再編されたのでしょう。


Commented by ブログ 湘南爺遊人 at 2014-10-14 22:58 x
美保神社を詳しく記してあり大変に参考になりました。
2009年のバイク旅で出雲大社は参拝しましたがお盆の渋滞でスルーをしてしまい後悔をしております。
2015年にカブで寺社巡りを計画中なので参考になりました。

Commented by たまくん太陽 at 2014-10-15 20:20 x
> 美保神社を詳しく記してあり大変に参考になりました。
> 2009年のバイク旅で出雲大社は参拝しましたがお盆の渋滞でスルーをしてしまい後悔をしております。
> 2015年にカブで寺社巡りを計画中なので参考になりました。

> 美保神社を詳しく記してあり大変に参考になりました。
> 2009年のバイク旅で出雲大社は参拝しましたがお盆の渋滞でスルーをしてしまい後悔をしております。
> 2015年にカブで寺社巡りを計画中なので参考になりました。

コメントありがとうございます。
美保神社の記事ですが
自分の記事は、全体像を網羅してなくて
書きたいことかいて 写真を載せている
記事ばかりなので 
注目点から外れていることは ほとんど書いてないので
お許しください。

出雲の神社巡りは、深く知れば 知るほど 疑問が湧いてきて
興味深いですよ。

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by yuugurekaka | 2014-07-18 22:17 | Trackback | Comments(2)